2015年9月7日月曜日

難民 移民 ギリシャに生活していて感じること



小さな男の子の悲しい写真が世界に衝撃を与え、日本でも一気にシリア難民の話題が取り上げられているようですね。

4年前に初めてクレタ島に来た時に、街中にリビアの人たちがたくさんいました。
アテネに用事があって泊まったホテルにもリビアの人たちが子供を含めて滞在していたなぁ。
タクシーの運転手さんが、このホテルは政府と難民受け入れの契約をしてるんだよと言っていたのを思い出します。

カダフィ政権が崩壊した今は、リビアの人を島であまり見かけません。まだここのどこかに住んでいるのかもしれないけれど。

中近東、アフリカはクレタ島の目と鼻の先。
ヨーロッパの玄関口のギリシャにいると、日本にいた時は遠いところの話だった世界情勢が本当に身近に感じます。カダフィ存命時には戦闘機が飛んでいたり、今はシリアなどからの難民・移民がたくさんやってきたり。

ギリシャの島には毎日のように難民船、難民ボート(ゴムボートのようなものまで)にのって難民、移民がやってきます。

去年の冬は、地中海にたくさんの難民船が沈み、何千人という人がなくなりました。
難民になるのは「お金」がいります。
難民を仲介・斡旋する闇業者にたくさんのお金を払い、ヨーロッパに希望を求めてやってくる航海の中で船に閉じ込められたまま亡くなった人たち。冬の荒海では絶対に航海できないようなボロ船に乗せられて命を落とすなんて、、、酷すぎる。

またこの冬も悲劇が繰り返されるのではと心配する気持ちと、人の命を大事にせず、人の弱みにつけこみお金を儲ける人たちを悲しく腹立たしく思ったり。


クレタの街で、実際にシリア難民の人たちに会い、話したことがあります。

私が会ったのは、1年ほど前にやって来た彼女たち(女性だけ残っていて、男性陣はドイツなどの先進国へすでに渡航成功済。女性と子供たちは呼び寄せ、渡航の成功待ち、といった状態)。

難民にも格差がとてもあることを痛感しました。

彼女たちは、シリアでも裕福であったと思われるし、1年前にクレタに来れたので、今まで難民として無料でホテル暮らしが出来ています。しかし、ギリシャ政府・自治体がそのホテルに払うはずのお金をなんと1年も払っていないそうで(それもひどい話です)、最初はとてもよくしてくれたけど、最近は扱いが冷たいと言っていました。

コス島などは難民たちが非常に多いので、ほとんどがテントや路上暮らしではないでしょうか。

彼女たちのお父さんやお兄さんは、あの手この手でドイツや北欧諸国へ渡り、すでに仕事を得ているようです。また、シリアから全財産持ってきたので、それでノルウェーに既に家を建てたという人もいます。逞しい!

ゴムボートなどでやってくる人は、荷物は本当に最小限で、航海の途中でお金でもなんでも、海に捨てなければならない状況もあるでしょう。命を守るために。

彼女たちはスマホを持っていて、それで離ればなれになった家族と連絡を取り合っています。クレタに着いたばかりの難民たちも、周りからドイツの良い話を聞いて知っているようで、「早くドイツに行きたい」と言います。そうだよね、ギリシャにいても仕事できないから生活が難しいものね。。。

徒歩で国境を渡ったり、ドイツを目指す難民たちがニュースで取り上げられていますが、裕福な難民・移民たちは偽造パスポートを作って、何度も何度もドイツなどへ渡航を試みます。地元のニュースでは、「クレタの●●空港で偽造パスポートを使って渡航を試みたシリア人、アフガニスタン人の男女を拘束しました」という記事を見ない日はありません。

なかには6回以上試みてやっと渡航に成功できたという話も聞きました。女性はベールを取り、金髪に染め、カラコンを付けて変装して成功!みたいなこともあるそうです。

良い悪いはおいておいて、本当にこれは資金があるから成せる業。

難民や移民の格差が本当に激しくて、何とも言えない気持ちになります。


資金のない人たちは、幼い子供や老人を背負って、国境付近で催涙スプレーをかけられながら、この暑い夏の国境越えです。



そして、シリアの人たちよりも大変なのが、アフリカからの難民や移民。
肌の色などで、金髪碧眼でヨーロッパ人に変装するのは無理。どうしても目立ってしまうので、
歩いて国境越えを目指すのは夜のみ。コソボなどを通って、西側を目指すそうです。

いわゆる経済難民と言われる人たちは、だいたい母国に仕事が無いために、不法移民あっせん業者の言葉に騙されて、村や土地を売ってヨーロッパに来たのはいいがそこはギリシャ。

母国の紛争から逃げてきたわけではないので難民認定も受けられず、書類に問題や不備があるためにギリシャ国外にも出られず、仕事はあるが悪条件過ぎる誰もやりたがらない仕事を低賃金で。

家を仲間と借りたくても、黒人であるがゆえに貸してもらえず、路上や空き家に住む生活。お父さんが、家畜と土地を売りはらってヨーロッパに自分を送ってくれたのに、仕送りもほとんど出来ず申し訳ない。。。。という状況。


ギリシャの野菜は安くて喜んでいましたが、生産スピードを上げるための夏の温室栽培など、過酷な条件下でこういう移民の人達が働いているのを知り、愕然としました。そういえば、何年か前に、イチゴ農家で働いていたパキスタンだったかバングラディッシュの人たちが、6か月間も滞っていた給料の支払についてオーナーに話に行ったら銃で撃たれたというニュースもありましあt。



シリア人であれば、本当に戦火から逃げてきた人でも、良い暮らしを求めてやって来た人でも「難民」の認定がされやすいので、ほんとうの難民の間に良い暮らしを求めてやって来た「経済難民」も含まれていたり、ISの戦闘員も紛れて送り込まれていたりとか。。。
こういうニセ難民のお蔭で、他の国が受け入れを渋ることになったりして、なかなか難しい。


全員がドイツなどを目指すかというと、身近にクルド系のシリア人の家族で、こちらで手に職を得て、立派に生活している人たちもいます。本当に、いろいろな人たちがいます。


そして、難民になれずにシリアに留まっている人たちがいることも忘れられません。。。


命にかかわることだったら、マフィアでもなんでも利用して生き抜いてちょうだいとも思うけれど、慢性的な職不足や経済難の国で移民のあっせんをする悪徳業者には騙されないでとも思う。それで命を落としたり、母国よりも悲惨な生活を強いられている人たちが実際にいるのですから。


自分に何ができるんだろう。。。

知ること、興味を持つこと、発信すること。

今は暑いですがこれから寒くなるギリシャ。難民が毎日到着するコス島には、いくつか物資を集めている団体があるので、冬服や毛布、子供用品、衛生用品などを送ろうと思っています。


なんだかいつももやもや思っていたことをそのまま出した、とりとめのない文章で失礼します☆







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